あったかブログ

2017/08/20 更新

神戸市長選の争点(2) 「大型開発の復活」ストップを!

安倍〝自民党政治〟の持ち込み許すのか、「自治体らしい自治体」を取り戻すのか

(2)「震災は終わった」と大型開発の復活

 「自民党政治」の持ち込みによる神戸市政のゆがみの一つは、「大型開発の復活」です。 
 久元市長は「震災復興は終わった。これから神戸は新たなステージに踏み出した」として「これまで着手できなかったインフラ整備」を推進しはじめました。市長自らが「事業費数千億円のオーダー」を打ち上げた三宮周辺~市役所~神港突堤のウォータフロントまでの広大な巨大再開発。さらには、東西に阪神高速をもう一本つくる大阪湾岸道路の西伸(総事業費五千億円)や神戸空港の民営化と、次々大型プロジェクトを開始しました。 
 また今年になって久元市長は、矢田前市長が「大型開発を抑制し、生活密着型の公共事業を優先する」として凍結していた「第四の人工島(六甲アインランド南)」計画の復活まで表明しました。 
 しかし、久元市長が熱心なのは外国人居住者のとりこみや、駅前滞在人口増加など、外需だのみの都心一極集中の再開発ばかりで、大型店の出店による地域商店の疲弊や、高齢化・老朽化などに悩むニュータウンなどのまちづくりの問題は後回しです。 
 最大与党の自民党も「三宮再開発されたら、海岸のほうへ行く道とか、人が通るところを優先的にやっていただいて、西区、北区の田舎のほうまでそんなん必要ないと思っています。人が集まるところはしっかりと頑張っていただきたい」(二〇一六年十月十三日総括質疑で自民党の梅田幸広議員=起訴された三市議の一人)と応援しています。 
 こうした、震災前後の大型開発最優先=「開発会社」への回帰ともいえる事態は、神戸になぜ特徴的に表れているのでしょうか。 
根底には、安倍内閣が公共事業による財政出動をアベノミクスの三本の矢に位置付け、高速道路や巨大港湾、大規模再開発プロジェクトなど新規の大型開発事業に多額の予算を投入するながれに、安倍政権の応援を受けて当選した中央官僚出身の市長として政府方針を忠実に実行する市長の政治姿勢があります。 
 象徴的なエピソードが久元市長自身のブログに掲載されています。六月二十四日に神戸を訪れた安倍首相から「『外国人にとって神戸が住みよい街になるよう取り組んでください』と励ましてくださいました」とし、市長の決意として「『骨太方針2017』にもあるように、『企業における職務等の明確化と公正な 評価・処遇の推進、英語等でも活躍できる環境など就労環境の整備』とともに、自治体自身もしっかりと取り組んでいかなければいけないという思いを改めて強く持ちました」と語っています。