神戸市長選の争点(1) 不正・腐敗を神戸から一掃を
安倍〝自民党政治〟の持ち込み許すのか、「自治体らしい自治体」を取り戻すのか
久元喜造神戸市長は、前回市長選で、安倍内閣と自民党の大々的な応援を受けました。選挙中、閣僚など数十人の自民党幹部が応援演説に立ち、自らも官僚出身として「安倍政権とのつよいパイプ」を強調しました。
自民党に支えられた久元市政によって、自治体を「開発会社」に変える〝自民党政治〟の持ち込みが加速し、福祉や憲法など神戸市政運営の大切な部分がゆがめられました。
十月二十二日投票の神戸市長選挙は、神戸市政に安倍〝自民党政治〟のこれ以上の持ち込みを許さず、「自治体らしい自治体」を市民の手に取り戻し、住民の願いを実現する選挙です。
(1)政務活動費不正流用:自民党政治は神戸でも末期症状
大野一市議(東灘/故人)ら「自民党神戸」議員団の三千四百万円超の政務活動費不正流用事件は、七月二十七日、岡島亮介(西区)、梅田幸広(西区)、竹重栄二(垂水区)の三市議が詐欺罪で起訴される事態になりました。三市議は、これまでの不正流用額とは別に、印刷物の領収書の金額を水増しするなどして二千三百万円の政務活動費をだまし取ったとして詐欺罪で起訴されています。三市議は八月二十八日にまでに議員辞職しましたが、起訴された市議は「領収書偽造は慣例」で「他の市議にとっても常識な方法だった」と詐欺が横行していたと語っています。
一方、自民党の今井絵理子参議院議員との不倫を週刊誌に報道された橋本健市議(中央区)は、記事の内容は「概ね事実」と認めました。また、橋本市議が作成した今井議員との対談を掲載した市会報告を参院選公示前日に配布したことについて、外部から「選挙応援では」と指摘され、自民党議員団は七月二十六日に収支報告書を修正、三十万円を返還する手続きに入りました。さらに八月二十四日には、二〇一〇~十四年の間、橋本議員が作成した市会報告について領収書に記載している業者が「作成をしていない」「領収書の発行だけをたのまれた」とコメントを発表しました。支出された額は七百二十万円にのぼります。前日までは自民党議員団と橋本市議は架空請求を否定していたことから、虚偽の報告を市民と議会にしていたことになります。事実であるならば、自民党議員団の所属議員が、政務活動費の不正流用で書類送検・起訴される最中、不正支出を再び行い市民の信頼を著しく損うものです。不正に関与した市議はもとより、発行主体である自民党神戸市議団の会派の責任は極めて重いと言わざるを得ません。
日本共産党神戸市議団は、政務活動費の新たな不正流用事件を徹底調査するための百条調査委員会の設置を議長に提案。自民党会派と橋本市議に議会の正式の場での説明を求めるとともに、関与した議員の辞職勧告決議を上げるよう要請しています。
安倍内閣同様、末期症状を呈する自民党政治は、政務活動費不正流用が象徴するように神戸でも腐敗を広げています。一方、市長は政務活動費の支出者として「刑事告訴」できる唯一の権限をもっていますが、自民党に「忖度」して告訴を一貫して拒否し、真相解明に背を向け続けつづけました。
こうした腐敗した自民党議員団に支えられながら、安倍流の〝自民党市政〟を押し進めているのが久元市長です。
(8月25日 自民党橋本市議の政務活動費の不正支出疑惑が報道されたことを受け加筆修正しました。)