「自民党神戸」の政務活動費不正流用で書類送検
神戸市議会の会派「自民党神戸」の政務活動費不正流用の問題で、日本共産党神戸市会議員団が一日、兵庫県警に書類送検された議員の氏名や不正流用の実態を明らかにすることなどを求める要望書を、神戸市議会議長あてに提出しました。
不正流用事件は、市議会会派「自民党神戸」(当時)が、架空の調査を装って政務活動費を会派でプールし、飲食や旅行に使うほか、陣中見舞いとして二〇一五年の神戸市議選の立候補者に配っていたことが発覚。同会派は利息を含め約三千七百五十四万円を返還しましたが、日本共産党神戸市議団は、議会としての真相究明を求め、神戸市議会にも「政務活動費に関する検討会」が設置され、関係者などへの聞き取りを行い、関係者を詐欺や公職選挙法違反などで刑事告発。県警は一六年一月に受理しました。
その後、陣中見舞いをうけとった十五人の議員と市議候補らは、政治資金収支報告書を、それぞれ会派や浜崎為司議員(当時の団長)から合計千三百八十万円の寄付を受け取ったと訂正しています。
四月二十八日に、兵庫県警は、詐欺と虚偽公文書作成・同行使の疑いなどで市議ら数人と、公職選挙法違反の疑いで市議・候補ら十数人を書類送検し、議会にその旨を通知してきましたが、議員等の氏名等については逮捕していないことなどを理由に公表していません。
神戸市議団は、不正流用の実態を明らかにするためにも、議会として兵庫県警に氏名などの公表を要求するよう要望書を提出しました。
五月八日の市議会代表者会議では、送検報道された岡島亮介、竹重栄二、梅田幸広の三市議に事実確認をおこなったが、「捜査途上」などと説明を拒否された報告がありました。
日本共産党の松本則子団長は「富山では不正流用を認めた議員は辞職しており、自民党は事実を確認し議員辞職も含めてしかるべき対応をすべき」「議会としても真相究明を尽くすため『検討会』を再開すべき」と求めました。
代表者会議では、共産党市議団が要望した県警への書類送検の具体的内容の情報提供要請は実現しましたが、報道された三市議への追及は、議長から説明責任を果たすよう文書で求めるにとどまり「検討会」の再開は見送られました。
松本団長は「議会として真相究明をすすめるため、引き続き議員団として力を尽くす」と語っています。