誰もが安心して子どもを生み育てられる神戸市に(あったか連載)
だれもが安心して子どもを産み育てられる保育行政を!
子ども・子育て支援新制度が始まって…
二〇一五年四月から、介護保険制度をモデルにした「子ども・子育て支援新制度(以下・新制度)」がスタートしました。
従来の「認可保育所」に加え、「赤ちゃんホーム」「事業所内保育所」「小規模保育所」「認定こども園」なども「認可保育所」として位置づけられることになりました。しかし、どの施設に行っても(行かされても)保育料は同じです。
神戸市では…
昨年四月一日、神戸市は、待機児童を「十三人」と発表しました。
これは、国や神戸市が定める「保育所など利用待機児童の定義」に当てはまる人の数であり、保育所入所を希望している数ではありません。申し込みの際、「第三希望までしか書かなかった」「家から近い従来の認可保育所しか希望しなかった」人が入所できなくても、待機児童にはなりません。また、「保育所入所が決まってから就活する」人なども、待機児童にはなりません。
神戸市では、二〇一三年七月より、市民公募なし、保育所利用保護者等の代表を入れずに、神戸市が選んだ「子ども・子育て委員」による「神戸市子ども・子育て会議」で、「神戸市子ども・子育て支援事業計画」を策定しました。
基本理念には、「子どもの利益が最大限尊重され、子どもが健やかに育まれるとともに、すべての人が安心してゆとりを持って子どもを産み育てることができるよう、子育てを社会全体で支えるまち」とうたっていますが、事業計画には、保育所の新増設計画はわずかで、待機児童数が多い、〇、一、二歳児の保育は「小規模保育所」を中心に計画されています。
保護者の声…
▽兄弟一緒に入れるところが「小規模保育所」しかありませんでした。本園から給食を運んでくるためお腹がすいて泣き叫ぶ弟、走り回れるスペースがなくイライラしている満三歳をむかえた兄、この四月から兄弟そろって転園できるか不安な一年でした。
▽兄弟同じ認定こども園を希望したのに下の子は二号認定がとれず、兄は二号認定で保育所児として過ごし、弟は一号認定とあずかり保育で幼稚園児として過ごしたので、一年間十三万円の持ち出しとなりました。
▽日曜日もあたりまえに正社員として休日保育(認可園・市内二カ所実施)を利用して働いてきました。新制度が始まって休日保育が無料になったことはうれしいですが、利用者が殺到し、利用しにくくなりました。
認可保育所を増やして!…
神戸市は、「行財政改革二〇二〇」の素案を示し、小学校給食の民営化や小中学校の統廃合と共に、公立幼稚園・公立保育所の再編を計画しています。地域に根差した公立保育所を守り存続させ、児童福祉法二四条一項の「保育所」を、今こそ「ポストの数」だけつくって、「安心して子どもを産み育てることができる」保育行政の実現を願っています。
(2016年3月20日付「兵庫民報」掲載)