あったかブログ

2016/03/27 更新

市民の交通権を守る神戸市を(あったか連載)

市民の交通権保障する行政の責任を明確に

公共交通を守る会(準備会) 堀之内美義

公共交通には民営公共交通と公営公共交通があります。神戸市の市内交通の三割を市営地下鉄と市バスが担っています。あとの七割をJRと私鉄が担っています。三割とはいえ、一日あたりの乗客数は、市営地下鉄が三十万人を超え、系統数八十、運行本数約五千八百の市バスは約十九万人、合計五十万人にのぼり、公営交通が大きな役割を果たしています。
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しかし、モータリゼーション、規制緩和、少子高齢化等々、主には外部的要因によって経営は困難を強いられています。営利会社である民間ではとてもやっていけないと思います。

公営交通の位置づけは、神戸市も過去に主張していたとおり、「都市装置」であり、また、水道、環境等と同じく行政の一部です。したがって、行政の責任で市民の足を確保することが必要です。最近、この点の主張、位置づけが弱まっています。もっともっと声を大にして主張するべきではないかと考えています。

一方、規制改革、民営化路線の波に押されて、公営交通の産別労働組合「都市交通」加盟単組は全国に四十二あったものが、二十二に激減――県内でも明石市、姫路市の市営バスの民営化にともない、それらの労組が脱退しています――そのため三年前に「都市交通」は解散し、自治労と組織統合しました。公営交通を守る環境の厳しさの一端を示しています。
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ところが、神戸市が二〇一四年九月に策定した「神戸市総合交通計画」は、公営公共交通、民間公共交通の区別、位置づけもしないで、行政の責任をあいまいにしているように思われます。

神戸市においても、他都市で見られるように、市民の交通権(移動権)を保障し、行政の責任を明確にした交通基本条例の制定を求めていくべきだと考えています。

市民の足に関する要求を実現していくためには、要求に基づく市民運動を広げ、推進する運動組織が欠かせません。

この四月一日から3、4、95、96系統などの減便が一方的に実施されようとしています。私たちは三月七日、兵庫区、長田区、北区の合同で、市交通局を呼んで説明会を開きました。そして、「市民の足を守る会」をつくって、要求を実現しようと準備会を立ち上げました。

(2016年3月27日付「兵庫民報」掲載)