2014/10/01 更新
復興住宅弁護団が意見書〝民間借り上げの入居継続へ神戸市は所有者と契約更新を〟
阪神・淡路大震災の被災者向け「借り上げ復興住宅」の入居者が、20年間での退去を求められている問題で、県内の弁護士らでつくる「借上復興住宅弁護団」はこのほど、民間オーナーが返還を求める団地であっても、神戸市が入居者に明け渡しを求めることは違法であり、継続入居できる措置をとるよう求めた意見書を提出しました。
同弁護団の佐伯雄三弁護団長らが10月1日、神戸市内で記者会見。民間借り上げ住宅に住む友光登美子さん(71)も同席しました。
神戸市は、85歳以上の高齢者など一部入居者の継続入居を認める方針を明らかにしていますが、民間オーナーが20年で返還を求めているとして、継続入居の資格要件のある入居者を含めて、11団地の109世帯にことし8月、他の市営住宅などへの住み替えの検討を求める文書を送付しています。
意見書では、神戸市が、恒久住宅を提供する方針で、借り上げ住宅への入居をすすめていたため、20年での明け渡しの事前通知をおこたっていたと指摘。公営住宅法に基づく事前通知手続きをおこたっている以上、建物所有者が返還を求める借り上げ住宅であっても、神戸市が入居者に明け渡しを求めることは違法であり、継続入居できるよう、契約更新に向け、所有者と真摯に交渉するなどの措置を講じるよう求めています。
友光さんは「住民は地域とのコミュニティを切られることが死ぬほどつらく悲しいことです。私たちは日々、不安とたたかっています。不安のない人生を過ごさせてほしい」と訴えました。
同弁護団は今後、借り上げ住宅の入居者連絡会とともに、入居者相談会を開きます。
▽10月18日午後2時、西宮市シティハイツ
▽19日午前10時、神戸市兵庫区キャナルタウン
▽26日午後2時、神戸市東灘区シティコート住吉本町。
(2014年10月12日付「兵庫民報」から転載)