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2014/05/29 更新

神戸市国民健康保険料 算定方式変更で低所得者に負担増

社会保障推進協議会神戸市協議会は5月29日「どうなる神戸市の国保料―国保改善運動と所得割算定方式変更(「基礎控除後所得方式」)」について学習会を開き、45人が参加しました。

はじめに日本共産党神戸市会議員団事務局の前田明氏が、「国保の都道府県単位化(広域化)のねらい」について報告。算定方式変更の源流は小泉内閣の医療構造改革が打ち出した国保の広域化にあるとし、民主党政権、自民党政権が地ならしを進めたと指摘。国保料の所得割算定方式を「基礎控除後所得方式」(旧ただし書き方式)に全国統一した法改定はそのためとしました。

社会保障改革国民会議報告では、国保の保険者を市町村から都道府県に移行し、医療提供体制、医療費抑制両面から都道府県の権限を強化すると明け透けにしており、市民に対して一般会計からの繰り入れ「縮小」によるいっそうの保険料値上げを押しつけるのがねらいだと指摘。脆弱な国保の財政基盤の安定には、八〇年代から半減された国庫負担を増やすしかないと強調しました。

つづいて、森口眞良神戸市協議長、前島豊県社保協幹事から、算定方式変更にいたる神戸の国保改善運動と評価、具体的事例にもとづく試算を説明。激変を緩和するために他市にはみられない神戸市独自の人的控除が当分の間適用されることになったことはこの間の運動の成果としつつも、人的以外の控除が認められず、緩和措置の財源が一般会計からの繰り入れでなく加入者相互の負担によるものであり、結局、低所得者の保険料が上がり、中・高所得者が下がる深刻な事態が予想されると指摘しました。

六月に市内各区でいっせいに行う国保相談会では国保料や住民税の負担軽減に取り組むとともに、寄せられた具体的事例、矛盾や苦情、怒りを結集し問題点や課題を明らかにし、滞納処分改善、高い国保料引き下げと社会保障総改悪ストップとを結んだ運動を広げよう呼びかけました。