借り上げ住宅入居継続を求める裁判を展望
自由法曹団が例会で検討
自由法曹団兵庫県支部借り上げ復興住宅問題を主題に6月25日、神戸市内で例会を開き、入居者や支援者、県議・市議らとともに今後の対応を話し合いました。
吉田維1弁護士は、阪神・淡路大震災以降の借り上げの経緯と概況を報告。当初は神戸市も「コミュニティづくりの支援」「21年目以降も借り上げ継続」を「市営住宅マネジメント計画」(2000年)で表明していながら、2010年の「第2次マネジメント計画」で1転、退去方針に転換したこと、西宮市も退去方針を依然とっていることを報告しました。
また、法律関係では、阪神・淡路大震災の借り上げ住宅は1995年成立した公営住宅法の遡及は受けず、借地借家法にもとづく入居契約とみるのが妥当であること、公営住宅法が適用されるとしても借り上げ期間満了後の退去は契約前に入居者に通知する義務があるのに、それが怠られていたことなどの問題点を指摘。「入居者の声に根ざし、地域コミュニティを保護する政策、入居者によりそう相談態勢が必要だ」と強調しました。
入居者連絡会の段野太1事務局長は、神戸市が借り上げ住宅にかかる市の負担を国からの財政支援を含めず多額に説明するなど、入居者に不当に肩身の狭い思いをさせていることなどを報告。味口としゆき神戸市議、松尾まさひで西宮市議、きだ結県議らもそれぞれ各市・県の状況を報告しました。
また、西宮UR借り上げ市営住宅連絡会の松田康雄代表や神戸市内の借り上げ住宅入居者らも発言しました。「入居許可証には退去期限は書いてなかった。市の対応は後出しじゃんけんのようで卑怯だ」などの訴えがありました。
自由法曹団兵庫県支部では、入居継続を求める裁判が多発することが予想されることから、弁護士会の他の弁護士にも呼びかけ、弁護団を結成してとりくむ方針です。
(2014年7月6日付「兵庫民報」転載)