2014/02/13 更新
借上住宅「完全予約制」は転居強要、「強要しない」の公約守れ
借り上げ復興住宅の入居者らでつくる「ひょうご震災復興借上げ住宅協議会」は2月13日、神戸市の「完全予約制」の方針にたいし、「入居者への転居強要、脅迫をやめよ」と訴えた声明を発表しました。
神戸市は、阪神・淡路大震災の被災者が入居する借り上げ復興住宅をめぐり、「原則二十年で退去」と追い出しをすすめてきましたが、ことし一月、移転先の市営住宅を予約すれば、空室がでるまで最長五年間、退去を猶予する「完全予約制」を発表しました。
声明は、市方針のねらいについて、あたかも住民が希望通りの住宅に入居できるかのように装いながら、予約申し込みを団地単位とし、二、三団地を選択するよう求め、追い出しを徹底しようとするものだと指摘しています。
すべての居住者に「転居希望」の提出を求め、「予約申請が出されない場合は、移転期限の猶予を適用せず返還期限までに移転していただく」としており、転居を強要していると指摘。「地域の絆をたよりに暮らしている居住者の実態をまったく無視した方針」「明らかな転居強要、脅迫であり絶対に容認できません」とのべています。
同協議会の公開質問状にたいし、矢田市長(当時)が「希望に沿った地域に住み替えていただくことが基本」「未知の土地、見知らぬ場所への転居を強要するものではありません」(二〇一二年十二月二十六日)と回答していることも指摘。この約束にも反するもので、「許されるものではありません」と訴えています。
(2014年2月23日付「兵庫民報」掲載)